2016年2月19日金曜日

EV乗りは発電機の夢を見る 三菱 アウトランダーPHEV その75


ほおっておくつもりでしたが、どうにも腑に落ちない記載が多いので書くことにしました。

急速充電スポットでは「譲り合い」の気持ちが標準装備にならないと、大変なことになっていくでしょう。

いやほんとうにそう思います。
つい最近、ガソリンスタンドで順番を守らなかった(故意ではなかったようですが)ために傷害事件が起こりました。
なぜか急速充電器では、この順番を守らず譲れ!と声高に叫ぶ人が多いのです。

ことの発端は、日本EVクラブから発信された寄本好則という人の書いたこの記事。
もう削除されているんですが、作者がご自分の会社のサイトに引っ込めているので読むことはできます。消し去って、無かったことにしてしまう国沢先生よりはマシ、と言っていいのでしょう。

急速充電器での「トラブル」を実感。
日本EVクラブの記事として発表したのに、不適切だそうで引っ込めています。
普通、問題のある記事を掲載したら、そこの編集部なりが何かしらアクションをとるものだと思うのですが、
この作者が日本EVクラブFacebookの管理をしているとのことで、日本EVクラブのコメントなく引っ込めたそうです。

要約すると、
広報車の発電機付きi3を借りて、発電機を使わずに釣りに行くという計画を立てるも、
帰りに横須賀PAの充電器に寄るとアウトランダーが充電中で、さらにもう1台アウトランダーが充電待ち。
でも本当に充電待ちかわからないので、ドライバーに聞いてみると「そうだよ」とけんか腰の顔で答えられた。
仕方ないので都築PAまで行く途中、発電機は動いてしまうわ、充電中だったアウトランダーに猛スピードで抜かれるわで、怒り爆発、アウトランダーのドライバーを「人間のクズの所業」呼ばわりし、充電中の写真まで掲載する。
※抜いたアウトランダーは、抜かれざまに写真まで取って同じ車体であることを確認
そして、アウトランダーはEVに充電を譲ろうよ、欧州のPHEVは急速充電は必要ないと判断してるんでしょう。

ということです。
この後言葉尻を編集したものをミックスしていますが、いずれにしても1回読んだだけで、あまりに自分勝手なのがわかりますよね。
発電機付きEVで、自分は発電機を使いたくないからアウトランダーにどけと言う。
アウトランダーの人も、発電しない縛りで釣り遊びをしているのかもしれないのに。
そして、自分は何かを譲る気など微塵もないのに、譲り合いだという。

一番の疑問、
・なぜ公共の充電器を使っているのに、EVの人は譲れと言うのか
これに合理的な理由を説明していただける方が、いまだに現れません。
EVの充電は死活問題?まだ充電できなくて死亡した例は報道されていません。

そもそも、充電器までたどり着いたのだから、待っていれば充電できます。

三菱 アウトランダーPHEVで冬の八ヶ岳へ…EV走行メインで、愛犬と自然に優しく
この記事でも
「ところで、もし充電スポットでi-MiEVや日産『リーフ』のような純EV車と遭遇したならば、発電・走行用のエンジンを持ち、電欠しても問題なく走れるアウトランダーPHEVは順番を譲るのがマナーと考えたい。」
との記載があります。
なぜ?

まぁ、この青山尚暉という人も、モータージャーナリストを名乗っていながらアウトランダーは通常運用で電欠しないことを発売3年を経過しても未だにわかっていませんが、
アウトランダーPHEVを選んだ人にとって、充電をするしないを自分で判断でき、充電に縛られない電動車であることは購入理由の一つです。
逆に、EVを選んだ人は、充電で不自由することを承知でEVを選んでいます。

大事なことなので二度書きます。

充電器までたどり着いたのだから、充電できます。

順番を譲れというのは、単に自分が早く出発したいから、だけですよね。
もし私が譲ったら、私の充電が終わるまで待っていてくれますか?
順番を譲る合理的な理由は、充電施設の閉鎖時間が迫っていて、ここで充電しないと電欠する、くらいしか思い当たりません。
ただ、それは順番を譲るのではなく、充電をあきらめろ、ということです。

寄本好則の記事に戻ります。
この人は、自分も発電機付き車両なのに、自分はエンジンをかけたくないからアウトランダーにどけと言いました。
元記事のタイトルは

急速充電スポットでは「譲り合い」の気持ちが標準装備にならないと、大変なことになっていくでしょう


です。『「譲り合い」の気持ち』です。
譲りあい?寄本好則さんの場合、順番を譲ったら、何を譲っていただけますか?
まさか譲られっぱなしで先に出発しないですよね。
アウトランダーの人の多くは、高速道の充電器が使われていたら前車の充電終了を待つことはありません。そのまま通過するか、充電せずに停めて用事を済ませます。
おかげで、すぐ次に来た人がたいして待たずに充電できる可能性もあります。
何も意識しなくても自動的に譲った状態になることがあるわけです。
私は東名高速を長距離走るときは深夜帯が多いのですが、それでもリーフが充電していたので充電せず停めて、トイレや飯を済ませ戻ってきたら違うリーフが充電していたことは三度経験しています。
既に充電しているリーフがいるので素通りしたことも数度あります。
他の公共充電器でも数度あります。

そしてこの人は自動車ジャーナリストではない(いや、ぜんぜん知りませんが)のであまり詳しくないのでしょう、
高速で飛ばすと電費が落ちて無意味と言っていますが、アウトランダーはそういう場合セーブモードでエネルギー効率の良いパラレル走行を行って、一般道に降りてから電気を使う選択肢があります。一般道で使うための電気を高速道で充電することもあります。
高速でEVはエネルギーコストが悪いと他人に言うのなら、EVで高速道は走らないということを自ら実践していただきたい。
※ちょっと追記。バッテリー残量がある程度残っている状態で、セーブモードはパラレルになりましたよね?昨日パラレルにならなかったのでちょっと気になりました。
※追記、この後第三京浜で確認してきましたが、メーター表示でバッテリー半分ほどのセーブモードでパラレルになりました。なんか最近物忘れが激しい気がするけど記憶は間違ってませんでした。

「ちなみに、続々と登場中の欧州PHEVたちは急速充電には対応していません。必要がないと判断しているからでしょう。」

ジャーナリストを名乗るのなら、でしょうじゃなくて調べたり取材くらいすればいいと思うのですが、もちろん理由があります。
欧州のPHEVは、そもそもアメリカのZEVや各国の排ガス規制対応などのために製造しており、50~60㎞程度のEV距離も同様に規制対応のため。この距離はアウトランダーPHEVでも説明されていた通り、自家用車の平均走行距離/日に対応させたものです。
つまり、家充電だけで行って帰って来られる距離の利用を想定しているので、かなりのコストがかかりコンボだ茶でもだと規格も怪しい急速充電ポートは採用していません。

ちょっと脱線しますが、私が経路充電不要と言っているのはこれが根拠です。200㎞走れるEVであれば、この活動距離は相当なものです。この範囲で使えばいいのであって、税金投入して利用率の上がらない充電器を拡充する必要はないと思っています。
今後EVが普及して充電器が足りなくなれば、また税金投入して充電器…そんなに税金投入しなくちゃだめですか?車両購入の補助だけじゃだめですかね…
自動車側にいろんな選択肢があるのですから、自分の用途に合うものを選べばいいのです。
商業施設が充電器を用意することには、全く異論はありません。集客しないと商売が成り立ちませんし。
普通充電器をたくさん置いてくれることを望みます。

そして、これも自動車ジャーナリストじゃないからご存じないのでしょうけれど、アウトランダーPHEVにはV2Hがあります。私は最初のころに書いているように、V2Hをやりたいのです。今のところいろいろ問題があって断念してますけどね…
スマートグリッドもいつごろ普及してくるのかさっぱりわかりませんが、とにかくV2Hを視野に入れて搭載しています。

もう一つ、

「さっき、充電器を譲ってくれなかった1台目のアウトランダーが、追い越し車線を120kmほどの猛スピードで走り抜けていったのです。」

猛スピードで抜いたというアウトランダーが120km/hと言っていますが、当然計測したわけではありません。それで犯罪者と断定して写真を晒すのはどうなんでしょう。国沢先生と同じレベルです。自分がゆっくり走っていたので速度差が大きかっただけの気がするんですけどね。

私はこの記事の写真を見て、ジャーナリストを名乗りEVの記事を書くのなら、充電待ちの場所を作ってほしいなどの提言をすればいいのになぁ、と思っていました。
待機スペースがあれば、充電アプリで充電器の満空だけではなく、待ち台数まで表示させることもできます。充電経過時間と待ち台数が表示されれば一番いいでしょうね。

とまぁ、こんな具合なのですが、これで終われない記事がこの後追加されました。

電気だけで往復200kmドライブ、で改めて感じたこと。

目に余る駐車方法で充電をしていますが、それは無理やり押し込んで目をつむったとしても、
この記事の中でこう述べています。

「やはり、エンジン音を聞かずに走りきるのは気持ちいいものです。」

いやいやいやいや、アウトランダーPHEVを初期に買ったオーナーは、既に3年も同じ思いです。
あなたがクズ呼ばわりした人は、広報車をちょっと乗っただけのあなた以上に同じことを知っています。
そして、

「今回のドライブでは、2回の充電場所ともに、ほかのEVやPHEVとは遭遇しませんでした。ま、現状の充電場所では、たいがいこんな感じです。急速充電器で「10分以上も待つ」あるいは「待たせる」ような状態でほかのクルマと鉢合わせするのは、正月やお盆を除けば、10〜20回に1回くらいあるかもな、という程度なのが実感です。」

充電10〜20回に1回遭遇したアウトランダーPHEVに、これだけ腹を立てる。
『EVは「知的な乗り物」だと感じます。』と言っていますが、まだEVに乗れるほど人としての知性が成熟していないんじゃないでしょうか。
自動車ジャーナリストではないのでご存じないのだと思いますが、
「これから急速充電できるクルマが増えるにつれて、充電待ちと充電器増設のいたちごっこが続いていくことになるでしょう。」
でしょうではなく、充電器を拡充したいのなら利用率を上げなければいけません。
現状充電10〜20回に1回程度しか遭遇しない程度の利用率で、誰が充電器に予算を投入しようとするのでしょうか。
取材はしないし、i3が自家用でもないのでご存じないのでしょうが、記入形式の充電施設でリストを見ればどの車種がどのくらい利用しているのかの実態は誰にでもわかります。
ご自分で確認していただきたいので、どんな比率かはここには書きません。
大体、地域差はあれど、今の充電器設置状況は過剰です。そして今の充電器が不足するほどにEVは当面普及しません。理由はわかっているでしょうから書きません。

「自動車メーカーやインフラを整備してくれている事業者に「正解」を求めるだけでなく、ユーザー自身が快適な充電インフラの使い方を考えるべきではないでしょうか。どうすれば、理想的なEV社会をつくっていけるのか。EVに興味をもち、EVを愛するみんなで一緒に考えたいよね、と思います。」

はっきり言いますが、順番を守れと言う人と、順番を譲れと言う人が一緒に考える余地はないと思います。
なぜなら、前者は社会常識として言っており、後者は自分たちだけが有利になるルールを唱えているからです。
そのため、前者は自動車メーカーに正解を求めるという考えすら思いつきません。なぜなら社会常識を守れば何も問題ないと思っているからです。
私たちはいろいろな選択肢のある中、便利で快適と思われる車を選んだ。
あなたは便利な車なのに自ら不便な使い方をして、私たちに悪態をついている。
それだけのことなんです。

納得いただけないアウトランダーPHEVオーナーの方へ
を読んでも他人の意見を聞く態度は見られません。
自分の意見の繰り返しで、完全に本来の意味での確信犯です。
アウトランダーが譲れば充電環境が良くなっていくと思い込んでいます。
アウトランダーが充電しなくてよい理由が二つ書いてありますが、

まず、急速充電しなくても先へ進めるアウトランダーPHEVに対して、ほとんどのEVは「もう次のサービスエリア(急速充電器)までは走れない」という状態で急速充電器にたどり着きます。PHEVは急速充電しなくても困らないけど、EVは困る。ならば「EVを優先してあげるコンセンサスがPHEVユーザーに広がるといいのにな」と、以前から感じていたからです。

次の充電器までたどり着けないのはわかりました。そういうこともあると知っています。
でも知的なEV乗りは、リスクヘッジ取らないんですか?
大事なことなので三度も書いてしまいますが、譲られなくてもあなたは待っていれば充電できるのです。
アウトランダーが充電しているとEVが充電できないなんてことはありません。
なぜ充電できるのに困ってしまうのか理解できないのです。そんなに困ってしまうEVを選んだのは、選んだ人の問題です。
アウトランダーが困らせているわけではありません。

もう一つの理由は、ことに「高速道路のロングドライブでアウトランダーPHEVを急速充電する必要はない」と感じているからです。なんとなれば急速充電するよりもチャージモードでしばらく走る方がストレスなく充電できるし、高速走行ではみるみる減っていく電池残量計を見るにつけ、高速道路での急速充電の必要は感じない、ということです。ま、個人の感想、ですけどね。

既に書きましたが、アウトランダーの場合は、今走行に使うための充電だけではないのです。
高速を降りてから使う電気かもしれないし、これから仮眠するときに使う空調用かもしれないし、100V給電用の電気かもしれないのです。
私はあんまりアクセル踏まないのと、高速はACCを使うのでわからないのですが、SOCが下がるとシステム出力も下がるという意見があり、そういう人は余力を残したいそうです。単に充電が楽しかったり趣味だったり、できるだけ電気で走ろうとする人もいます。
借り物をちょっと乗って御託を並べるジャーナリストの認識はこの程度です。個人の感想ではなく、(ジャーナリストとして)単なる無知です。オーナーのコミュニティには、よほど真実が書いてあります。未だに知らない話を読むことができます。

EVユーザーがロングドライブするときは、ある程度の充電待ちを覚悟しています。でも、充電待ちで並んでいるPHEVの後ろに付くと「えっ、並んでまで充電するの?」と感じます。そもそも、並んでまで急速充電しようとするPHEVオーナーの気持ちが僕にはわかりません。EVが来ても並んで充電しようとするPHEVオーナーは、きっとEVユーザーの気持ちを知らないのではないかと推察します。

EV走行がエコロジーだという考えで充電する人もいます。上記のようにいろんな人がいろんな理由で充電しています。
気持ちがわからないのに、どけと言える、そのメンタリティが私にはわかりません。
EVユーザーの気持ちはどうでしょうね。こんなことで怒る人のほうが少ないと思いますが。

でもね、「えっ、並んでまで充電するの?」と思ってしまう理由は、自分が優遇されないと気に食わない、わがままなだけです。
EV購入時は適性試験を行ったほうがいいんじゃないでしょうか?

4 件のコメント:

  1. ご無沙汰しております。
    私のは急速充電付いていますが、購入直後以外外部では利用したことがありません。
    大方の考えは管理人さんと同じだと考えます。
    自宅に於いて深夜料金で充電するから大きなメリットがあるので、あまり遠出をしない私には充電カードを作ってもPAY出来ないからです。
    また、休憩の時に無料で充電出来れば利用させて貰いますが、時間をつぶすのはもったいないですよね。

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    1. いやいやこちらこそご無沙汰しております。
      私は例の有料道充電実態調査の協力費欲しさに充電会員継続して、泊りがけで出かけた先ではけっこう充電したりしました。

      うちから都心に買い物に行っても、片道を電気で走れれば十分な感じですし、普段の生活で充電だけで停車は、とある役所を除いてすることはありません。
      3月で充電会員もやめる予定ですので、当面は事実上充電器は譲ることになりますねー。

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  2. 返信
    1. 他人の名前を騙るのはよろしくないですね。

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